軍艦島3Dプロジェクト

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軍艦島3Dプロジェクト

軍艦島3Dプロジェクト
「軍艦島3Dプロジェクト」とは、インフラ長寿命化センターが2009年度から行ってきた「軍艦島」の研究技術を用い、軍艦島の記録、保存管理をするプロジェクトです。
2014年には長崎市の依頼で3Dレーザスキャナや無人飛行機(ドローン)による空撮画像から軍艦島を“まるごと3Dデータ化(以下軍艦島3D)“を行いました。

軍艦島3D

軍艦島上空から撮影した写真を中心に3DCGを作っています。

 

ポリゴンとワイヤーフレーム

テクスチャーを外した状態のポリゴンとワイヤーフレーム

軍艦島3Dは、実測に基づく映像であり、建物の高さや幅などの形状、コンクリートのひび割れの状況、コンクリートの崩壊した量、海水(波)で侵食された地面の深さなど、現状を正確に把握することができます。定期的な観測を行い、過去のデータと比較することで劣化の進行や過程を把握することができます。
なお、3Dデータは、観光コンテンツ、映像作品、3Dプリンターを用いた模型製作などに転用も可能であり、今後は長崎市など関係機関と3Dデータの活用を共に検討できればと考えております。

【3Dデータの取得】
3Dデータを作成するためには、現地(軍艦島)で計測を行う必要があります。軍艦島内の鉄筋コンクリートの建物は老朽化が進んでおり、建物の柱や壁にひび割れが発生しています。また、コンクリートの崩落している箇所や鉄筋が向き出しになっている箇所がいたるところで確認できます。さらに、倒壊のおそれのある建物も存在します。
そのような中で軍艦島の現状を記録するためには、建物に近づくことなく安全に調査可能な技術が必要です。また、島内は多くの大規模な建物が多数あることから効率的に調査する技術も必要となります。

そこで、当センターでは3Dレーザースキャナ、全方位カメラ、無人飛行機(ドローン)、水中ソナーなど最新の計測装置を利用し「3D計測」を行いました。

【具体的な作業】
3Dレーザースキャナや無人飛行機(ドローン)で撮影した空撮画像から、軍艦島の3D映像を作成します。2014年の計測では、無人飛行機(ドローン)を使った空撮を含む約2万8千枚の写真から、そのうち約2200枚を組み合わせることで軍艦島3DCGを作成しました。今回は、パソコンの能力(処理、出力とも)の関係で組み合わせる写真の枚数と解像度を制限し作成しました。今後、パソコンの高性能化が進むとより解像度の高い軍艦島3Dを作成できます。
また、水中ソナーを用い約150箇所の水中計測を行うことで、島の地上部と水中部の3Dデータも作成しました。

【3Dデータの活用】
軍艦島の3Dデータから島の地形図や建物の図面や損傷図を作成することができます。また、平面的な写真と異なり、体積を持つ3Dデータは3Dプリンターを使い立体模型を出力する事も可能です。プリンター精度が上がれば現実には無くなってしまった遺構の小規模な復元も可能です。まさに「その時のその場」を真空パックで保存するような技術とも言えるでしょう。
2015年度以降は、世界遺産候補である長崎の教会群や産業遺産を3DCG化する予定です(参照:3Dミュージアム)。

30号棟3Dプリンター出力
30号棟を3Dプリンターを用いて出力した模型。

【参考動画】


撮影時も含めた動画(HD)4分30秒。

3DCGのみ。全体像や技術応用など。(フルHD)3分。

3DCG。ワイヤーフレームの状態も載せています。(フルHD)70秒。

【参考資料】

地域で活かされる長崎大学の知
インフラ長寿命化センター 平成26年度 活動報告書(軍艦島プロジェクト抜粋)
市民シンポジウム in 長崎 2014(『軍艦島の三次元計測』 松田 浩抜粋)
インフラ長寿命化センター 平成21年度 活動報告書(第4章 「"軍艦島"の鉄筋コンクリート造高層建物群の環境劣化調査と安全性評価に関する研究」実施報告抜粋)
インフラ長寿命化センター 平成22年度 活動報告書(第4章 「最先端計測技術と3Dデータを活用した軍艦島保存プロジェクト』抜粋)
長崎)軍艦島の遺構を3D映像に 長崎大大学院教授ら:朝日新聞デジタル

仲間由紀恵の蒼い地球
なお、「仲間由紀恵の蒼い地球9(2015.1.4放送)」でもネクスト世界遺産の守り人として紹介されました。

グッドデザイン賞2015受賞

グッドデザイン賞2015受賞

当プロジェクトは2015年9月29日グッドデザイン賞を受賞しました!

研究担当者:出水 享、小島健一 お問い合わせ:3d_project@ml.nagasaki-u.ac.jp