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平成29年度九州・山口地域実装支援に関する事業報告会報告

平成29年度九州・山口地域実装支援に関する事業報告会が、去る平成30年3月2日に開催された。会場となった福岡市TKP博多駅前シティセンターのホールB(日本生命博多駅前ビル8F)には約140人の建設・設計業関係者、国・自治体職員、大学関係者等が参加した。

報告会の冒頭で主催者を代表して、(一社)NME研究所(九州共立大学名誉教授)牧角龍憲氏による開会挨拶がなされた。

報告会では先ず、SIPサブプログラムディレクター若原敏裕氏による基調講演「SIPインフラ維持管理・更新・マネジメント技術-今後の方向性と展開-」がなされた。インフラ維持管理の「ありたい姿」とSIPインフラ維持管理 ・更新・マネジメント技術の開発技術の紹介がなされた。次いで、社会実装に向けた出口戦略として、技術認証・国際展開、地域展開・地域実装等、情報プラットフォーム戦略(Society5.0) 及び研究開発・社会実装拠点ネットワークについて最新の情報提供がなされた。

次いで、『 SIP九州・山口地域実装支援「インフラ維持管理に向けた革新的先端技術の社会実装の研究開発」の研究開発・実施内容の報告』が研究責任者松田浩長崎大学教授によってなされた。九州・山口地域におけるSIPインフラ維持管理・更新・マネジメント技術に関する研究開発成果の地域実装について平成29年度の県別の説明会や現場実装試験等の活動が報告された。

牧角 龍憲氏
若原 敏裕氏
松田 浩氏
日野 伸一氏
久田 真氏

休憩を挟んで「インフラメンテナンス国民会議九州フォーラムの紹介」がフォーラムリーダー日野伸一九州大学副学長によってなされた。インフラメンテナンスを実施するためには,産官学の連携した取組みが必要不可欠で,インフラメンテナンス国民会議が設立されている。この1月に設立された九州フォーラムについて、その体制、活動方針等が紹介された。

次に東北大学大学院工学研究科久田真教授による「東北地方における産官学の取組み」と題する特別講演がなされた。インフラ維持管理に関する我が国の動向やSIPプロジェクトを俯瞰した後に東北大学を拠点とした東北6県の産官学連携の取組み戦略と成果が紹介された。

最後にパネルディスカッション「産官学連携で取組むインフラマネジメント~メンテナンスサイクル(点検・診断・措置・記録)の実際と課題~」が開催された。先ず、国土交通省九州地方整備局道路部道路保全企画官谷川征嗣氏、ショーボンド建設株式会社西日本支社技術部課長山下幸生氏及びエイコー・コンサルタンツ株式会社設計部課長笹木憲治氏によるメンテナンスサイクルの各段階の話題提供がなされた。

話題提供後に松田浩教授がコーディネーターとなり、話題提供者3人とコメンテーター2人(東北大学久田真教授、SPD若原敏裕氏)によるパネルディスカッションが開催された。

最後に、九州大学大学院工学研究院教授園田佳巨氏による閉会挨拶をもって報告会は盛況のうちに終了した。当日の出席者へのアンケートによれば、「大変参考になった」と「参考になった」とする回答がほとんどであった。また、「このような報告会が開催された場合に参加したいか」に対して86%が「参加したい」と回答した。

パネルディスカッションの様子
会場の様子